開発点光 #05 | 「くつ下工房」のものづくり①

 KAIHŌ SOCKSを作る新潟・五泉の「くつ下工房」は、家族5人で営む小さな工場です。


くつ下工房では、職人の上林希久子さんのお父様の代から靴下を作ってきました。かつては、1日に多くの靴下を作っていた時代もありましたが、現在は昔ながらの低速の編み方で、履き心地の良さを追求した靴下作りをしています。

2回に渡り、くつ下工房の上林希久子さんにお話を伺います。

①小さな工場だからこそできる、目が行き届いた靴下作り 9/25公開
②一度履いたら手放せない靴下のヒミツ 10/2公開(完)

 

①小さな工場だからこそできる、目が行き届いた靴下作り

靴下作りでずっと大事にしてきたことを尋ねてみると、

 「んー、なんだろう、、、流れ作業にしないこと…かな?」

靴下製造の世界は、大量生産が主流で、そのほとんどが分業制です。データづくり、編み立て、つま先の縫い、蒸気でのプレスと仕上げ検品。それぞれ工場が違い、制作の一部分しか担わないということも珍しくありません。


 「大量生産になると、規模や構造上、機械も人も効率的に回していかなくてはならなくて。そうすると、こぼれ落ちる部分が出てくる。そうではないやり方をどう成り立たせていくかが課題。」

なのだそう。

くつ下工房では、靴下を作る全ての工程を、一貫して自社工場内でできる体制を取っています。そして、データのプログラムから靴下が完成するまで、1人の職人が様々な工程を担うことで、全てを見通すことができます。

全てを見通し、「流れ作業にしない」で靴下を作るということは、細やかな配慮や、完成した靴下に対しての責任や愛情が持てるということ。そういった目には見えない部分は、製品にも現れているように私は思います。

職人としての経験値と直感的な感性を製品に落とし込む希久子さんとその背中を見て育った息子さんや娘さんと営むくつ下工房。

希久子さんと息子さんで代表の崇人さんに心地よいなと思う瞬間を尋ねてみると、

 「全く不良品が出ずに、最後まで靴下が作ることができた時」(一同 笑)

流れ作業にせず、1足1足丁寧に時間をかけて作るからこそ、不良品が出なかった1日の終わりの喜びはひとしお。

くつ下工房の作る履き心地の良い靴下は、このような考えをもっている「ひと」がいて、小さな規模だからこそ生みだせるものなのだと思いました。


くつ下工房のWEBサイトはこちらから


次回は引き続き上林希久子さんにKAIHŌ SOCKSの履き心地のヒミツを伺います!