おしえて!!からだせんせい 矢田部英正先生 #春分・実践編2

3月20日「春分」を迎えました。
春夏秋冬、巡る季節とともにわたしたちの身体も呼応し、変化しています。
身体のことを正しく知り、必要な養生法を手に入れ、毎日をすこやかに過ごしたい。

そんな思いから、「日本身体文化研究所」の矢田部英正先生にお話を聞く連載企画。
立春、春分、夏至、秋分、冬至の1年をかけて、季節と身体の関係性と、養生法を教えていただいています。

春分期におすすめの養生法 実践編2ー剣道素振り体操ー

◆剣道素振り体操

鼻の通りが悪い人におすすめなのが、剣道素振り体操。
この体操をしているそばから、鼻が通り始め、肩甲骨まわりに通路ができ、血流が良くなり循環してきます。

素振りで後ろに振りかぶった時にしっかり肩甲骨を寄せて、頭の中心を通って肩を下げると、鳩尾のあたりで手首の位置がしっかり決まります。
頭頂、鼻筋、口元、みぞおち、背骨と天地をつなぎ、体幹に作用するような中心感覚も出来てきます。



1.右足を前に、左足を45度方向にして後ろに少し引き、足を前後に開きます。




2.指の先が真上に向くよう、胸の前で合掌の形をつくります。

 

3.合掌のまま、頭の後ろまで思い切り腕を後ろに持っていき、
  胸の前まで合掌を振り下ろし、素振りします。10回ほど繰り返します。


ポイント! 後ろに振りかぶる時は重心も後ろに。なるべく顔は動かさず、鼻呼吸で素振りするのが大事!




今回は、春分期の身体について、またこの時期におすすめの養生法を教えていただきました。
次回は、6/21頃にお届けする「夏至編」です。

夏至の時期は、身体の変動は少なく安定していますが、
梅雨時期のジメジメや暑さ対策も必要になる頃。
次回はそんな季節に備える、夏の身体の特徴と養生実践法をお届けします。どうぞお楽しみに。

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今回のからだせんせい:日本身体文化研究所 矢田部英正先生
プロフィール
からだの歴史を研究する文化史家(武蔵野美術大学講師)。日常的な動作の中に歴史や文化があることを発見し、
自分のからだを上手に使いこなす技術を伝える「身体技法講座」を展開。からだを整える椅子や食器を制作する作家でもある。
著書多数_『坐の文明論』晶文社、『たたずまいの美学』中公文庫など。