ABOUT US
衣服は、1日のほとんどの時間、身につけるもの。
日々の食事のように、わたしたちの身体やこころに影響を与えています。
RELIEFWEAR | リリーフウェアは、身体の不調を機に開発した「養生のための機能服」を提案します。
RELIEFWEARのはじまり
きっかけは虫垂炎?
30代半ば頃から、身体的な不調に悩まされることが多くなりました。
当時はデスクワーク中心の仕事で、長時間座っているとパンツやタイツ・靴下のゴムがストレスに感じたり。お腹やみぞおちの締めつけで痛みを感じたり。手足が冷えたり。そんな小さなストレスを放置していたせいか、35歳にして虫垂炎で入院(!)。
腹痛や手術後の傷の痛みで、着るものに困った経験がありました。
それをきっかけに、痛みや不調は一体どこから来るものなのか?
身体について知りたいと思い始めました。
身につける養生
関心を持ったのは日本人の身体のこと。
日本に古くからある文化や身体の在り方を自分なりに探究してみると、驚きと発見の連続でした。
身体の理にかなった衣服の仕様、無理のない自然体への意識、呼吸の仕方、身体技法に沿った道具など、日本ならではの自然観に基づく知恵がとても豊かなこと。
そして「養生」という考え方。
江戸時代に書かれた貝原益軒の『養生訓』の中には、
“ひとの身体は命の主人。心は身体の主人”
とあります。
“養生の術は、自分の身体を損なうものを畏れ慎み、心を静かにし和らげ、よく勤めて身をうごかし、気をめぐらすことを良しとする”
そして、
“たもつとめぐらすの二つが備わらねば、養い難い”
と。
そして湧き上がって来たのが、この「たもつ」と「めぐらす」の考え方を、ストレスを感じていた衣服の開発に繋げられないか?…という想いでした。
この想いをきっかけに、RELIEFWEARでは「たもつ」と「めぐらす」を衣服の視点から再解釈した、「ととのえる」と「ゆるめる」という2つの手法でアプローチすることにしました。
テーマは「身につける養生」。
毎日着ているものを、からだとこころの視点からから考える養生のためのものづくりの始まりでした。
「ととのえる」と「ゆるめる」
ととのえる
RELIEFWEARが考える「ととのえる」は、身体をあるべき姿へと導くこと。
日本では、上半身は無駄な力が抜けていて、下半身は充実し、どっしりと安定感がある「上虚下実(じょうきょかじつ)」の状態が理想とされてきました。
その要は、「腰」と「肚(はら)」にありました。
写真は、140年前の日本人の車夫の姿です。リラックス感と快活さのある姿。
腰紐でぐっと骨盤を締めて、身体の中心「丹田」の位置でキュッと結んで、下半身が力強く安定感のあるまさに「上虚下実」な状態。
そこでRELIEFWEARは「丹田」に着目しました。
「丹田(たんでん)」は、へそ下3寸(約9cm)にあると言われる身体の中心とされる部分で、武道などでも大事にされてきました。
「丹田」を中心に、腰と肚がしっかりと決まって「中心感覚」が調うと、背骨や頭の位置が正しく据えられて、背筋がすっと伸び、自然な身体の状態になるのだそう。
この考え方が、TANDEN PANTSの開発に繋がります。
ゆるめる
RELIEFWEARが考える「ゆるめる」は、身体を「締めつけない」そして「温める」ことで、巡りを妨げないこと。
現代女性の不調の大きな原因のひとつは、血流の悪さ。
立ち仕事やデスクワークで長時間同じ姿勢で働くこと。さらには運動不足。また、ベルトやタイツや靴下で腹部や足首を締めつけること。
客観的に見てみると、日常のなにげないことが身体をいじめているのだと気づきました。
それが、血流を阻害し滞り、冷えやむくみを起こし、さらなる不調を生み出す悪循環に。
だから、足元から見直しました。
冷えに効くツボ「三陰交(さんいんこう)」と呼ばれる内くるぶしから指4本分上にあるツボ。このツボは、東洋医学で3つの陰が交わる場所。
冷えやすく、冷えのたまりやすい場所と言われます。このツボを押したり温めることによって、生理痛や冷えの改善、消化器の働きを高めるなど、女性にとって万能のツボとも言われています。
RELIEFWEARのKAIHŌ SOCKSは、一般的な靴下に見られる履き口のゴムはなく、裏糸に伸縮性のある素材を使い、低速でふっくらと編まれた、締めつけ感のない製法。
靴下の履き口部分を二重仕立てにしたり、より伸縮性と保温性を出す凸凹編みにすることで、足元を締めつけず、心地よい履き心地を追求しています。
身体が自然な状態に整えれば、こころも調う。また逆も然り。
RELIEFWEARは「身につける養生」をテーマに、身体の理にかなった日本古来の考えや知恵・衣服文化をあらためて紐解きながら、いまのわたしたちの身体や生活にあった「養生のための機能服」を提案しています。自然な身体の在り方と、こころに作用する美しさを大切にしたものづくりを通して、
身体とこころを解放するお手伝いが少しでもできたらと思っています。
*01 図版:『ボンジュール ジャポン-フランス青年が活写した1882年-』ウーグクラフト 著・後藤和雄 編 朝日新聞社刊
*02 図版:『養生訓』貝原 益軒 著, 伊藤 友信 訳