ご自愛おやつ -卯月-
忙しない1日の中でも、ほんの少しだけ、身体もこころも解けるおやつの時間を。
そんな思いで始めた連載です。
「おやつ」の語源は、江戸時代の午後2時〜4時に当たる「昼八つ」に由来するそう。
1日2食だった時代、体力維持のためのエネルギー補給や気分転換の役割を担ったおやつ。
いまの私たちにも、ひと月ごとに少しずつ変化する季節や身体に合わせて、手軽で美味しく。
身体もこころも休んで満たされる、ご自愛おやつを。
ムジナの庭さんとご一緒に、毎月お届けしています。
卯月のおやつ ハーブ白湯
材料(1杯分)
・お湯 カップ1杯分
・ローリエ(またはお好みのハーブ) 1〜2枚
作り方
①お湯を用意する。(*)
②ローリエを半分に折って割り、カップに入れて、お湯を注ぐ。
③すすって飲める程度 (50~60℃)まで冷ます。
ひとことメモ(*)
手軽に白湯を作るなら電子レンジでも◎。
浄水やペットボトルの水をマグカップに入れ、500Wなら2分を目安に温めます。
水道水を沸かす場合は、含まれているカルキ(残留塩素)などを除くために、やかんに水を入れ、蓋を外して10~15分沸騰させます。
ローリエは半分に割らず、はさみで数カ所切れ込みをいれても◯。
卯月のご自愛POINT Fromムジナの庭
春の養生では、寒い冬を乗り切るために貯めこんできたものをうまく排出することが大切と言われます。
身体の「お掃除」におすすめなのが、白湯。
なめらかな白湯は、少しずつ口に含んで飲んでいくと、お腹までぽかぽかしてきます。
白湯そのままでももちろんよいのですが、ハーブをプラスすると香りや味のアレンジが楽しめます。
(冷蔵庫やストックボックスに眠っているハーブでもOK!)
今回紹介したローリエ(月桂樹)の香りには、血流を促す成分やリラックス成分が含まれています。
鼻や喉などの呼吸器系の不調にも働きかけてくれるので、花冷えや花粉症が残るこの時季にぴったりです。
そのほかにも、
・気分をスッキリしたいとき→ミントやシソ
・体を温めたいとき→生姜やシナモン、ペッパー
・胃腸を整えたいとき→ローズマリーや陳皮(みかんの皮を干したもの)
などがおすすめ。
体調や気分に合わせて身近なハーブをちょっとプラスすることで、不調の出やすい春の身体をご自愛していきたいですね。
新年度や新学期が始まり、どことなく気持ちがそわそわするこの時季。
たまにはおやつ代わりにフーフーと白湯を飲んで、のんびりデトックス&リラックスしてみませんか?
文:鍼灸師 柳田りつこ(ムジナの庭)
撮影後記 From RELIEFWEAR
今月は、ちょっと変わり種。おやつ代わりに飲みたい「ハーブ白湯」。
ハーブを入れると、ふわっと微かに漂う香りとまろやかな味わい。
疲れていると、ついつい甘いものを欲してしまいますが、そんな時こそ、繊細なハーブ白湯をじっくり味わってみる。
身体もこころも、するすると解けていくような気がしました。
効率化しているはずなのに、いつも忙しい。
気忙しさを感じたら、お湯を沸かして、ハーブを入れ、注いで冷ます。
一服して、ゆったりと「待つ時間」を持つことも大事かもしれません。
教えてくれたひと
ムジナの庭 主宰 鞍田 愛希子さん、鍼灸師 柳田りつこさん
“何歳からでもリスタートできる社会へ”をテーマに、2021年3月に東京都小金井市に誕生した福祉施設「ムジナの庭」。
生活や就労に障害のある方が心身のバランスを取り戻していくため、生活や仕事の支援のほか、植物を糸口にからだやこころのプログラムを行なっている。
教えていただいたのは、植木屋・花屋、心と身体に深く作用させる植物教室を経て、ムジナの庭を立ち上げた鞍田さんと、施設内でボディケア担当をされている鍼灸師 柳田さんにもご協力いただきました。
https://atelier-michaux.com
instagram @atelier_michaux
©️Mao Yamamoto