ご自愛おやつ -如月-
忙しない1日の中でも、ほんの少しだけ、身体もこころも解けるおやつの時間を。
そんな思いで始める新連載。
「おやつ」の語源は、江戸時代の午後2時〜4時に当たる「昼八つ」に由来するそう。
1日2食だった時代、体力維持のためのエネルギー補給や気分転換の役割を担ったおやつ。
いまの私たちにも、ひと月ごとに少しずつ変化する季節や身体に合わせて、手軽で美味しく。
身体もこころも休んで満たされる、ご自愛おやつを。
ムジナの庭さんとご一緒に、毎月お届けしていきます。
如月のおやつ 干し金柑
材料
・金柑 適量
*無農薬や減農薬で作られた、そのまま食べられるものをお選びください。
・竹串・包丁・まな板・ざる(または干し野菜ネット)
作り方
①金柑を軽く拭くか洗って、ヘタを取る。
②半分に切る。
③竹串を使って、種を取る。
④ 5ミリくらいの厚さに切る。
⑤ザルなどに切った金柑を並べる。
カビが生えないよう、風通しのよいところで天日干しする。
⑥出来上がり。2〜5日でセミドライな食感に。
そのまま干しておくと硬めの触感が楽しめます。
こちらは2週間ほど干したもの。
如月のご自愛POINT Fromムジナの庭
2月4日は立春。暦の上では春の始まり。
とはいえ、冬の寒さがまだ残る時期です。
エネルギー不足を補いつつ 、気の巡りを整えることで少しずつ身体を春モードにしていくのがポイント。
この時期に旬を迎える金柑は、漢方では「肺・脾・肝」の働きを助けてくれます。
気の巡りを整え、身体を温めてくれるほか、喉を潤し、咳や痰などの症状を和らげると言われています。
乾燥や風邪が気になるこの時期におすすめです。
皮ごとまるごと食べられる金柑。
皮の部分が甘く、身の部分に苦味があり、そのまま食べても美味しい。
ですが、干すことで甘味がアップします。
焼菓子に使ったり、ヨーグルトやグラノーラに混ぜたりしても◎。
澄んだ冬空の下。
干しザルに並ぶ黄金色の断面を眺めるのが好きで、毎年金柑が出回るこの時期に作っています。
干し金柑をつかったドリンクレシピ
「ハチミツ金柑ティー」
材料(カップ1杯分)
・干し金柑 2・3枚〜お好みで
・蜂蜜 ティスプーン1杯〜お好みで
・お湯 100cc位
消化吸収を助け、気を補ってくれる蜂蜜をプラスするのもおすすめ。
カップに干し金柑と蜂蜜を入れお湯を注げば、優しい味のハチミツ金柑ティーになります。
撮影後記
これまで、あまり馴染みのなかった金柑。
撮影ですっかりその美味しさに魅了されてしまいました。
果皮の粒々に見える部分に精油が含まれているそう。
切っているそばから香りにも癒されます。
丸ごと食べるフレッシュなのもいいけれど、味がぎゅっと詰まった干し金柑は、手が止まらなくなる美味しさでした。
教えてくれたひと
ムジナの庭 主宰 鞍田 愛希子さん、鍼灸師 柳田りつこさん
“何歳からでもリスタートできる社会へ”をテーマに、2021年3月に東京都小金井市に誕生した福祉施設「ムジナの庭」。
生活や就労に障害のある方が心身のバランスを取り戻していくため、生活や仕事の支援のほか、植物を糸口にからだやこころのプログラムを行なっている。
教えていただいたのは、植木屋・花屋、心と身体に深く作用させる植物教室を経て、ムジナの庭を立ち上げた鞍田さん。
そして施設内でボディケア担当をされている鍼灸師 柳田さんにもご協力いただきました。
https://atelier-michaux.com
instagram @atelier_michaux
©️Mao Yamamoto