ご自愛おやつ -弥生-
そんな思いで始めた連載です。
「おやつ」の語源は、江戸時代の午後2時〜4時に当たる「昼八つ」に由来するそう。
1日2食だった時代、体力維持のためのエネルギー補給や気分転換の役割を担ったおやつ。
いまの私たちにも、ひと月ごとに少しずつ変化する季節や身体に合わせて、手軽で美味しく。
身体もこころも休んで満たされる、ご自愛おやつを。
ムジナの庭さんとご一緒に、毎月お届けしています。
弥生のおやつ いちごの水切りヨーグルト
材料(1人分)
・ヨーグルト 大さじ10(約150g)
・蜂蜜 大さじ1(約15g)
・いちご 3粒
・きなこ 適量
・コーヒードリッパー・ペーパーフィルター(2-4人用)・包丁・まな板・大さじ・マグカップ
作り方
①ヨーグルトと蜂蜜を器に入れ、混ぜ合わせる。
②いちごはヘタを取り、四等分に切る。
③コーヒードリッパーにフィルターをセットし、マグカップなどの上に置く。
④ヨーグルト→いちごの順で、交互に重ねて入れる。一番上をヨーグルトに。
⑤ラップをして、冷蔵庫で一晩置く。
⑥器に盛り、きなこをかける。
*ザルにキッチンペーパーを敷き、ボウルなどの上に置くと、一度に沢山作ることができます。
弥生のご自愛POINT Fromムジナの庭
暖かい日が多くなるとはいえ、寒暖差の波に揺られて疲れが出やすい3月。
この時季の過ごし方について漢方の古典を紐とくと、「心も身体も行動も、ゆったりと」とあります。
深呼吸をする、空を見上げる、伸びをするなど、暮らしの中でのちょっとした「ゆったり」が養生のコツです。
のんびり過ごすおやつタイムも、養生のひとつ。
今回は、春に働きが高まる「肝」(*1)を労るおやつレシピをご紹介しました。
旬のいちごの酸味と甘さは、肝の働きをのびのびとさせ、気を巡らせてくれます。
腸を潤す作用のあるヨーグルトと脾胃(*2)を養う大豆(きなこ)をプラスすることで腸内環境を整え、気になる花粉症対策にも。
白とピンクの色合いに春を感じる、目にもたのしいおやつです。
*1 東洋医学の「肝」は、血液を貯蔵したり、感情の調節をしたり、全身の機能を調整する働きがあると言われます。
*2「脾胃」は栄養を消化吸収し、全身に運ぶ働きがあります。「気」(エネルギー)と「血」(血液)を生み出す源と言われます。
ひとことメモ
ヨーグルトを水切りする際に出たホエイ(乳清)には、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが含まれています。
ホエイに牛乳を加えると、ほのかに甘いラッシー風ドリンクに(お好みで甘味を加えても◎)。
また、パンケーキやホットケーキを作る時に牛乳の代わりに加えるとフワフワな焼き上がりになります。お試しください ♪
文:鍼灸師 柳田りつこ(ムジナの庭)
撮影後記
混ぜて切って重ねて、一晩置くだけで新食感。
ホイップのようなふんわり感に、チーズのようなもちっと感も。
ヨーグルトにいちご、蜂蜜にきなこ。
どれも割と身近な食材ですが、組み合わせたことがなく新鮮でした。
いちごの甘酸っぱさに、きなこの香ばしさが、クセになりそうです。
教えてくれたひと
ムジナの庭 主宰 鞍田 愛希子さん、鍼灸師 柳田りつこさん
“何歳からでもリスタートできる社会へ”をテーマに、2021年3月に東京都小金井市に誕生した福祉施設「ムジナの庭」。
生活や就労に障害のある方が心身のバランスを取り戻していくため、生活や仕事の支援のほか、植物を糸口にからだやこころのプログラムを行なっている。
教えていただいたのは、植木屋・花屋、心と身体に深く作用させる植物教室を経て、ムジナの庭を立ち上げた鞍田さんと、施設内でボディケア担当をされている鍼灸師 柳田さんにもご協力いただきました。
https://atelier-michaux.com
instagram @atelier_michaux
©️Mao Yamamoto