ご自愛おやつ -文月-
忙しない1日の中でも、ほんの少しだけ、身体もこころも解けるおやつの時間を。
そんな思いで始めた連載です。
「おやつ」の語源は、江戸時代の午後2時〜4時に当たる「昼八つ」に由来するそう。
1日2食だった時代、体力維持のためのエネルギー補給や気分転換の役割を担ったおやつ。
いまの私たちにも、ひと月ごとに少しずつ変化する季節や身体に合わせて、手軽で美味しく。
身体もこころも休んで満たされる、ご自愛おやつを。
ムジナの庭さんとご一緒に、毎月お届けしています。
文月のおやつ 黒糖麦茶ゼリー
材料(4人分)
・濃いめに煮出した麦茶 400cc(*1)
・黒糖 30g
・粉寒天 2g(*2)
・ゆであずき、きなこ 適量
*1 普通の麦茶の2倍の濃さを目安に。2倍のパックを使って水出しも可能。
*2 ぷるんとした食感を出すために粉寒天の量は少なめです。
固めがお好みの方は3g近くまで増やすなど、お好みで調整してください。
<道具>
・小鍋(ミルクパンくらい)、ガスコンロ、スプーン、容器、器
作り方
①麦茶、黒糖を小鍋に入れ、火にかける。
②黒糖が溶けたら、粉寒天を加え、弱火で1~2分煮る。
③火を止め、粗熱がとれたら容器に移す。
④冷蔵庫で2~3時間冷やし固める。
⑤器に盛り、ゆであずきときなこを添える。
文月のご自愛POINT Fromムジナの庭
7月に入り、梅雨明けが待ち遠しい日々。
一雨ごとに草木がぐんぐんと伸びるように、身体も活動モードになります。
「適度に身体を動かして、いい汗をかく!」がこの時期のご自愛ポイント。
余分な熱や水分をしっかり出し、めぐりを整えることが本格的な暑さに向けた「からだの夏じたく」に。
おすすめは、夏休みの定番・ラジオ体操。
短い時間でよいのでちょっと動いてみませんか?
身体がスッと軽くなりますよ。
また、暑くなった身体を「冷やしすぎないこと」も大切です。
冷房のかけすぎや冷たい物のとりすぎで内臓が冷えると、消化機能や排泄機能が下がり、体力も落ちてしまいます。
今回のおやつの主役・麦茶(大麦)は、薬膳ではやさしく身体を冷まし、余分な水分を出し、胃腸を労わるとされています。
身体を温める性質をもつ黒糖で甘味を加え、余分な水分を排出するあずき&「元気」を補うきなこを添えました。
つるんとした食感と麦茶の香ばしさが合わさった、どこか懐かしいおやつです。
文:鍼灸師 柳田りつこ(ムジナの庭)
撮影後記 From RELIEFWEAR
いわゆる寒天ゼリーのような固めの食感でなく、ふるふるとしたやわらかさ。
それに、ふわっと香る麦茶の香りと、黒糖のまるやかなコク。
きな粉とあずきが乗っかって、すっきりしつつも、満足感のあるおやつでした。
懐かしくて、ほっとするような味わいは、汗をかいて疲れた身体に沁み入るよう。
そして、夏の暑い日は「冷やす」のではなく、「冷ます」。
今回、麦茶の効能をあらためて伺って、まさに夏養生にぴったりな素材。
夏といえば、麦茶。から随分と遠ざかっていましたが、
黒糖麦茶ゼリーをきっかけに、麦茶生活を取り戻してみようと思いました。
教えてくれたひと
ムジナの庭 主宰 鞍田 愛希子さん、鍼灸師 柳田りつこさん
“何歳からでもリスタートできる社会へ”をテーマに、2021年3月に東京都小金井市に誕生した福祉施設「ムジナの庭」。
生活や就労に障害のある方が心身のバランスを取り戻していくため、生活や仕事の支援のほか、植物を糸口にからだやこころのプログラムを行なっている。
鞍田さんが立ち上げたムジナの庭で、ボディケア担当をされている鍼灸師 柳田さんに教えていただきました。
https://atelier-michaux.com
instagram @atelier_michaux