ご自愛おやつ -水無月-

忙しない1日の中でも、ほんの少しだけ、身体もこころも解けるおやつの時間を。
そんな思いで始めた連載です。 

「おやつ」の語源は、江戸時代の午後2時〜4時に当たる「昼八つ」に由来するそう。
1日2食だった時代、体力維持のためのエネルギー補給や気分転換の役割を担ったおやつ。 

いまの私たちにも、ひと月ごとに少しずつ変化する季節や身体に合わせて、手軽で美味しく。
身体もこころも休んで満たされる、ご自愛おやつを。

ムジナの庭さんとご一緒に、毎月お届けしています。

水無月のおやつ スパイス焼きバナナ



材料
3本分)
・バナナ 3

・黒胡椒
・オリーブオイル 
・フェンネルシード
・シナモンパウダー
*トッピングはお好みを適量
 そのほかインスタントコーヒー・カルダモンパウダーなど、お好みのトッピングでアレンジできます。

<道具>
・まな板・包丁・アルミホイル・トースター・トング

作り方 

①バナナはヘタを切り、後でむきやすいよう、皮に縦2本の切りこみをいれる。

②蜜が垂れないように、舟型にしたアルミホイルにバナナを置く。

③トースターで皮が真っ黒になるまで焼く。  
*目安は180200℃で 1015分。熱源が上下どちらかの場合は、途中でバナナを裏返す。

④取り出してお皿に盛り、バナナの切りこみに沿って、トングで上側の皮だけをむく。

⑤お好みのトッピングをかけて完成。
 今回はオリーブオイル+黒胡椒、フェンネルシード、シナモンをトッピング。

 

水無月のご自愛POINT  Fromムジナの庭

天気のすぐれない日が多くなり、梅雨の季節がやってきましたね。

東洋医学の考え方では、脾胃(消化器系)は湿気が苦手で、この時期に調子を崩しやすくなります。
おやつ時には甘いものが欲しくなりますが、「甘味」の取りすぎは脾胃を傷つけるので気をつけたいところ。 

そこで、お砂糖を使わず、自然な甘みでほっこり満足できる「焼きバナナ」をご紹介しました。

* 

皮ごと真っ黒になるまで焼いたバナナは、甘味が増してホクホク。
大丈夫かな?と思うくらい真っ黒に焼くほうが、とろとろジューシーになります 

シンプルにそのまま食べてもおいしいですが…。
ご紹介した「温」や「熱」の性質をもつ食材をプラスすると、さらに「ご自愛度」がアップ。
熱帯の果物であるバナナは「冷」の性質が強い食材で、身体を冷やす方向に働きます。

「梅雨寒(つゆざむ)」という言葉があるように、身体の冷えには気をつけたい時季。
生で食べるよりも、熱を加える&「温」食材と組み合わせるひと工夫がおすすめです。 

「今日も雨か~」と気分が下がってしまいがちな季節。
ですが、雨音のリズムには人が心地よいと感じる「1/fゆらぎ」が含まれていて、リラックス効果があるそう。
「雨の日はリラックスの日」と割り切って、しとしと雨音を聴きながら、のんびりモードで過ごすのも良いですね。

文:鍼灸師 柳田りつこ(ムジナの庭)

 

撮影後記 From RELIEFWEAR

今月はインパクトたっぷりな、真っ黒なバナナ。

温かいバナナを食べるのは、今回初めてで、特に黒胡椒との組み合わせが新鮮でした。
バナナの甘みと黒胡椒のスパイシーさ、さらにオリーブオイルを組み合わせたら…。
おやつと言うより、ワインでも一杯飲みたくなる美味しさ(笑)  

忙しい日が続いたり、身体が疲れたりすると、ついつい甘いものに手が伸びます。
砂糖の入った甘いものは、食べたその瞬間は満たされて。
でもそのあとは、余計に身体がだるく感じます。

そんな日々や梅雨時期の重だるい日のおやつに、スパイス焼きバナナでご自愛ください。 

教えてくれたひと
ムジナの庭 主宰 鞍田 愛希子さん、鍼灸師 柳田りつこさん

“何歳からでもリスタートできる社会へ”をテーマに、20213月に東京都小金井市に誕生した福祉施設「ムジナの庭」。

生活や就労に障害のある方が心身のバランスを取り戻していくため、生活や仕事の支援のほか、植物を糸口にからだやこころのプログラムを行なっている。

教えていただいたのは、植木屋・花屋、心と身体に深く作用させる植物教室を経て、ムジナの庭を立ち上げた鞍田さん。
そして施設内でボディケア担当をされている鍼灸師 柳田さんにご協力いただきました。

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©️Mao Yamamoto