ご自愛おやつ -皐月-
忙しない1日の中でも、ほんの少しだけ、身体もこころも解けるおやつの時間を。そんな思いで始めた連載です。
「おやつ」の語源は、江戸時代の午後2時〜4時に当たる「昼八つ」に由来するそう。
1日2食だった時代、体力維持のためのエネルギー補給や気分転換の役割を担ったおやつ。
いまの私たちにも、ひと月ごとに少しずつ変化する季節や身体に合わせて、手軽で美味しく。
身体もこころも休んで満たされる、ご自愛おやつを。
ムジナの庭さんとご一緒に、毎月お届けしています。
皐月のおやつ 海苔とチーズのハーブサンド
材料(20切れ分)
・海苔 全形 1枚半
・スライスチーズ 5枚
・しそ 1枚
・黒コショウ・山椒・カレー粉・蜂蜜 お好みで適量
・まな板・包丁
作り方
①海苔を1/4サイズにカットする。
②海苔とチーズ(しそ)を重ね、半分に切る。
③切ったものをさらに重ねる。
(はみ出た海苔部分を重ねてカットすると、より綺麗な見た目に。)
④四等分に切って、トッピングをお好みでのせる。
皐月のご自愛POINT Fromムジナの庭
どこか気忙しい春が過ぎ、身体もこころもホッとひと息。
とはいえ、春の疲れや寒暖差・気圧差が続くこの頃。
「眠れない」「やる気が出ない」といった、ちょっとした不調が出やすい時季でもあります。
いわゆる「五月病」と呼ばれるもの。
そこで今月は、疲労回復に必要なビタミンB1が豊富な海苔と、良質なたんぱく質が含まれるチーズを使って。
「気」の巡りをよくするハーブ・スパイスをプラスした「ご自愛おやつ」をご紹介しました。
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薬膳では、海苔は身体の中の水を巡らせ、余分な水分を排出する働き(利水作用)があるとされます。
梅雨に向かい、むくみが気になるこの時季に取りたい食材の1つ。
「寒」の性質をもつ海苔に、「温」や「熱」の性質をもつハーブ・スパイスを組み合わせると、その性質を緩和してくれますし、香りは気の巡りを助けてくれます。
疲れていて甘味が欲しい方には、胃腸を労わってくれる蜂蜜のトッピングがおすすめです。
重ねて切るだけ!という超簡単レシピですが(笑)、この時季の身体をちゃんと労わってくれます。
疲れて帰った夜のおつまみにも◎。
若葉の初々しい緑に気持ちが和む季節。
深呼吸でひと息ついて、ゆったりと過ごしていきたいですね。
文:鍼灸師 柳田りつこ(ムジナの庭)
撮影後記 From RELIEFWEAR
今月は、甘いおやつではなくて、しょっぱい系。
海苔とチーズをベースに、しそ、黒コショウ、山椒、カレー粉、蜂蜜までトッピング。
1口サイズだから、パクパクと手が止まらなくなる、おいしさでした。
簡単にできて、味変が楽しめる。
海苔に蜂蜜?と、ちょっとユニークな組み合わせも、意外とハマります。
今回のトッピング以外にも、お家に余っているハーブやスパイスを使ったり、とろけるチーズを使って焼いてみたいなぁ…と。
手軽だからこそ、アレンジして楽しみたくなる。
おおらかさのある今月のご自愛おやつを、どうぞお楽しみください。
教えてくれたひと
ムジナの庭 主宰 鞍田 愛希子さん、鍼灸師 柳田りつこさん
“何歳からでもリスタートできる社会へ”をテーマに、2021年3月に東京都小金井市に誕生した福祉施設「ムジナの庭」。
生活や就労に障害のある方が心身のバランスを取り戻していくため、生活や仕事の支援のほか、植物を糸口にからだやこころのプログラムを行なっている。
教えていただいたのは、植木屋・花屋、心と身体に深く作用させる植物教室を経て、ムジナの庭を立ち上げた鞍田さんと、施設内でボディケア担当をされている鍼灸師 柳田さんにもご協力いただきました。
https://atelier-michaux.com
instagram @atelier_michaux