ヨージョービギナーズガイド #15 ムジナの庭 鞍田 愛希子さん編 Vol.1

「養生ビギナーズガイド」は、身体やこころの養生となるモノ・コト・トキなどをレビューしシェアする連載。
読んでよかった書籍、使ってよかったモノ、心地よさにつながる時間etc…

今回は、先日イベントをご一緒した「ムジナの庭」を主宰する鞍田 愛希子さん。
東京・小金井で“何歳からでも、リスタートできる社会へ”をテーマに、身体やこころのプログラムを中心とした福祉施設を運営されています。

養生ビギナーの私とともに、“あなたの養生”のヒントになれば嬉しいです!3回に渡りお届けしていきます。

ムジナの庭 鞍田 愛希子さん編 Vol.1  
<ツカウ養生> 
嶋田工芸「健康つぼ押し棒」「健康にぎり玉つぼ押し」

「ヨージョーのための道具」として真っ先に思い出したのが、こちら。

栗のようなコロンとした形や、細長いしずくのような木型。
オブジェみたいなスマートな可愛さですが、かなり実用的な「つぼ押し」です。

精神科病院の閉鎖病棟でアロマタッチケアボランティアや、福祉施設で足つぼ&リンパマッサージ講座を担当していた頃、使い心地のいい「つぼ押し」を探していました。 

ふらりと立ち寄った富山県の有磯海サービスエリア。
海産物の並ぶお土産コーナーで、思いがけずベストなものに出会ってしまいました。

パッケージやつぼ位置早見表に至るまでデザイン性がすばらしく、つぼ押しとしても優秀なことに感動。
富山県の「庄川挽物木地(しょうがわひきものきじ)」として、
普段は器の原型を作っている木地師さんのろくろ挽きの技術がこんな風に生かされていく楽しさにも共感しながら。

たまたまその時選んだのは、「ジンダイケヤキのつぼ押し棒」と「ベニシタンのにぎり玉」。

他にも違う木の種類があったことを時々思い出しては、買い足したいな~と思っていたので。
今回あらためて調べてみたら、5種類のラインナップでした。

・高級銘木 ベニシタン
・数千年前の埋れ木 ジンダイケヤキ
・日本を代表する ケヤキ
・幸せを運ぶ エンジュ
・香りの癒し効果 ヒノキ

「触れる」ことを禁じられたコロナ禍の今、出番が少なくなっていたな~と、久しぶりに取り出して。
1人で押してみるものの、みんなでおしゃべりしながら、ゆっくり時間をかけてほぐしていくあの感覚とは、やっぱり別物だな~と、しみじみと。

ケアする側も心身が癒されていくアロマタッチケアはセルフケアにもなっていた事を思い知りました。
早く「触れられる」日々が戻ってきてほしいなーと感じる、肌寒い秋の始まりでした。

*11/17追記 
記事を出したあとに判明しましたが、すでに木地師の職人さんは亡くなられ、後継者もおられず、すでに製造中止されていたとか。
ほんの数年前の事なのに、とってもいい商品だったのに…。
いつか職人さんと一緒に再現してみたいなと思っています。

 

 

画像提供:ムジナの庭


今回おしえてくれた人
鞍田 愛希子さん

「ムジナの庭」主宰 /精神保健福祉士・社会福祉士

植木屋、花屋に勤務ののち、2011年に植物と哲学の実験工房「アトリエミショー」設立。
心と体に深く作用させる植物教室を各地で手がける。
その後、福祉への関心を深め、就労支援施設やフリースクールでの活動を経て、2021年3月、東京都小金井市に「ムジナの庭」を開設。
植物や身体を糸口としたケアの場の提供を試みている。

https://atelier-michaux.com
instagram @atelier_michaux

©️Mao Yamamoto