ヨージョービギナーズガイド #16 ムジナの庭 鞍田 愛希子さん編 Vol.2

「養生ビギナーズガイド」は、身体やこころの養生となるモノ・コト・トキなどをレビューしシェアする連載。
読んでよかった書籍、使ってよかったモノ、心地よさにつながる時間etc…

今回は、「ムジナの庭」を主宰する鞍田 愛希子さん。
東京・小金井で“何歳からでも、リスタートできる社会へ”をテーマに、身体やこころのプログラムを中心とした福祉施設を運営されています。3回に渡りお届けしています。
養生ビギナーの私とともに、“あなたの養生”のヒントになれば嬉しいです!

ムジナの庭 鞍田 愛希子さん編 Vol.2
<スゴス養生> おうち温泉 

スーパー銭湯や温泉など、大きいお風呂が好きです。
京都で暮らしていた頃は、近所の銭湯へもよく通っていました。

全国に思い入れのある温泉も、たくさん。
昔ながらの湯治場や、気軽に日帰り入浴できるような源泉かけ流しが理想です。

おすすめは、
秋田/乳頭温泉郷・鶴の湯
学生時代、豪雪を越えて辿り着いた桃源郷のようなロウソクの灯と雪見風呂。

福島/早戸温泉・つるの湯
雄大な只見川を眺めながら、飲用もできる温泉は、ほんのり塩味で消化器系に。

栃木/那須温泉元湯・鹿の湯
柄杓で200回のかぶり湯、6種の温度の浴槽、打たせ湯も合わせて、肩こり・首こり解消。

鹿児島/紫尾温泉
とろりとした「神の湯」は、美肌効果以上に疲労回復への効き目を実感。

大分/別府・明礬(みょうばん)温泉
小学生以下の入浴を禁止するほど作用が強いとされる泥湯や、やや青みがかったコロイド湯も極楽。

十数年ぶりに訪れた泥湯は、以前より底がサラサラしていました。
なんでも、泥パックなどの化粧品が流行った影響で、泥の量が激減してしまったからだそう。

各地で温泉の存続が危ぶまれる中、サウナもいいけど、まだまだ日本の温泉文化を楽しんでいたい。
とはいえ、温泉地で暮らしているわけではないので、頻繁には通えず。
村上商会の「薬用 湯の花」を使った「おうち温泉」で、時々遠い地へ思いを馳せています。
 


この「湯の花」は、藁葺きの「湯の花小屋」で、天然の硫化ガスの蒸気を青粘土に通し、1日1ミリ、2か月かけて育てた結晶。
重要無形民俗文化財にも指定された製法で、温泉の沈殿物などを粉にした全国の湯の花と違って、「薬用」は明礬温泉だけなのだとか。

自律神経が乱れやすい体質で、日中はずっとあれやこれやと、忘れ物がないよう過緊張状態が続きます。

だから、朝は熱めのお風呂にささっと。夜は、ぬるめのお湯でゆったりと。
温泉の代わりに、自宅で2回お風呂に浸かるようになり、自律神経のスイッチが少し上手になりました。

ポカポカの持続する湯の花、むくみの取れるミネラル、リラックスできるアロマなど。
お風呂の友が、少しずつ増えています。


今回おしえてくれた人
鞍田 愛希子

「ムジナの庭」主宰/精神保健福祉士・社会福祉士
植木屋、花屋に勤務ののち、2011年に植物と哲学の実験工房「アトリエミショー」設立。
心と体に深く作用させる植物教室を各地で手がける。
その後、福祉への関心を深め、就労支援施設やフリースクールでの活動を経て、2021年3月、東京都小金井市に「ムジナの庭」を開設。
植物や身体を糸口としたケアの場の提供を試みている。
https://atelier-michaux.com
instagram @atelier_michaux

©️Mao Yamamoto