おしえて!!からだせんせい 矢田部英正先生 #夏至・知識編2

#夏至・知識編1では、夏至期の身体の特徴と、心地よく過ごすための汗処理や過ごし方について教えていただきました。

夏至期は身体の「安定期」とは言え、安定と停滞は紙一重。今回は夏養生について、教えていただきます。




◆夏冷えに注意。心がけるのは循環させること。

夏至期に陥りがちなのが、夏バテ。

夏は、冷たいものを飲む習慣がありますね。
一時的に気持ちよくても、内臓が冷えることで体力が奪われて、夏バテになりやすいです。

中国では食養生の考えが浸透しています。氷の入った飲み物は飲まず、オレンジジュースやコーラも常温で飲むようです。
夏でもお茶や白湯を常温以上で飲んだり、冷たいものは飲み過ぎないのが大事ですね。



夏には、トマトやきゅうり、ナスやルバーブなど旬の葉野菜が、ほてった身体を適度に冷ましてくれます。
ビタミン・ミネラルなどの栄養も一緒に取れます。すいかも水分が取れ、デトックスの効用も持っています。

地面より上に実る葉野菜は、身体を冷やす食べ物なので夏に。
下にできる根菜類は身体を温める食べ物なので冬におすすめです。
スパイスや辛いものを食べて、代謝を上げて、不要なものを解毒するのも良いですね。

意外にも足元が冷えやすいのが夏。
素足や冷房の効いた部屋にいることが多く、足首を冷えすと婦人科系のはたらきにも影響が出たりします。
身体を温めるのは、夏場の方が大事かもしれません。

内臓や身体が冷えると基礎代謝が落ちて、排泄機能が下がり、体力も落ちてきます。
暑いからといって、内臓も身体も冷やさない。「吸収」と「排泄」の流れをしっかりつけ、「循環」を心がけるのが大事です。

 

#夏至・実践編1「肝心要の腎臓マッサージ体操 その1」へつづく

 

今回のからだせんせい:日本身体文化研究所 矢田部英正先生
プロフィール
からだの歴史を研究する文化史家(武蔵野美術大学講師)。日常的な動作の中に歴史や文化があることを発見し、
自分のからだを上手に使いこなす技術を伝える「身体技法講座」を展開。からだを整える椅子や食器を制作する作家でもある。
著書多数_『坐の文明論』晶文社、『たたずまいの美学』中公文庫など。