おしえて!!からだせんせい 矢田部英正先生 #春分・実践編1

3月20日「春分」を迎えました。
春夏秋冬、巡る季節とともにわたしたちの身体も呼応し、変化しています。
身体のことを正しく知り、必要な養生法を手に入れ、毎日をすこやかに過ごしたい。

そんな思いから、「日本身体文化研究所」の矢田部英正先生にお話を聞く連載企画。
立春、春分、夏至、秋分、冬至の1年をかけて、季節と身体の関係性と、養生法を教えていただいています。今回はいよいよ実践編です。

春分期におすすめの養生法 実践編1ーひじまる体操ー


体調がゆらぎやすい春分期におすすめなのが、首から肩甲骨周りの筋肉をゆるめておくこと。
このあたりの緊張が強いと、冬に溜まった老廃物が流れにくく、不調が長引く原因になります。

そこで春分期の養生のため、道具なしでできる簡単な実践法を教えていただきました。


ひじまる体操

肘丸体操は、肩甲骨から腕にかけての筋肉をリラックスさせる体操。
肩甲骨周りがゆるまると、呼吸器も楽になります。
普通に肩をまわすだけだと動かない肩甲骨を、ひじまる体操では動かせます。
肩こりや四十肩や五十肩のリハビリ・予防にも良いそうです。

ひじまる体操は、矢田部先生とも親交がある、整形外科医と大学教授である渡會 公治 (わたらい こうじ)さんが考案した体操です。


1.両手の指先を肩につけます。両肘を胸の前でくっつけるように閉じます。

 


2.指先を肩に肘につけたまま、肘で円を描くように腕を後ろに回します。

 


3.後ろ回しを10回ほど繰り返したら、前回しも繰り返します。




ポイント 肩甲骨が開く・寄せるを意識しながら、できるだけ「大きく回すこと」。

春分期におすすめの養生法 実践編2につづく

 

今回のからだせんせい:日本身体文化研究所 矢田部英正先生
プロフィール
からだの歴史を研究する文化史家(武蔵野美術大学講師)。日常的な動作の中に歴史や文化があることを発見し、
自分のからだを上手に使いこなす技術を伝える「身体技法講座」を展開。からだを整える椅子や食器を制作する作家でもある。
著書多数_『坐の文明論』晶文社、『たたずまいの美学』中公文庫など。