おしえて!!からだせんせい 矢田部英正先生 #冬至・知識編1

12月22日「冬至」を迎えました。
春夏秋冬巡る季節の変化に、わたしたちの身体も呼応しています。
身体のことを正しく知り、必要な養生法を手に入れて、毎日をすこやかに過ごしたい。

そんな思いから、「日本身体文化研究所」の矢田部英正先生にお話を聞くこの企画。
立春、春分、夏至、秋分、冬至の1年をかけて、季節と身体の関係性や養生法を教えていただきます。 

◆冬至期の季節と身体の特徴は?

夜の長さが、1年で1番長くなる日が「冬至」。
#立春編でお伝えした通り、季節や身体にとって「安定期」「不安定期」があり、冬至は夏至の時期同様、潮の満ち引きが小さく、変動が少ない時期。

だから寒くても、身体にとっては「安定期」です。
この安定期の頃に、手術や歯科治療など身体に負担のかかることを済ませておくと、順調に回復するでしょう。
ただし、安定期とはイコール、エネルギーが停滞しやすい時期でもあります。
 

 

冬は気温も気圧も下がり、内臓や代謝の力にも変化があります。
特に気圧が低くなると、血圧も下がりやすい。
心臓に血液を戻す力も弱まり、身体の巡りも滞りがちになる。
すると、むくみやすくなったり、足先の循環が滞り、冷えに繋がったりもします。

寒いからと家にこもっていると、気温や気圧の影響も相まって、だるい、動きたくない、冷えるといった症状が出て、結果ますます停滞が進んでしまいます。

◆冬至期の身体は、動かしてデトックス

代謝の力が弱まる冬至期は、身体を動かして、とにかく内部の流れを停滞させないことが要ですね。
足・後頭部とお腹。身体の末端と中心を温めておくと良いでしょう。

身体を動かすと言っても、激しい運動でなくても大丈夫。
膝下をぐるぐる回して足先の循環を良くしたり、ふくらはぎを揉みほぐすマッサージなど、家の中で簡単にできることでも、停滞させないための対処法になります。

また後頭部の筋肉もこの時期の寒さでガチガチに固まっていることがあります。
後頭部は中枢神経が集まっているので、眼精疲労や頭痛・自律神経の不調や、致命傷になる脳梗塞などにも冬は繋がりやすい。
手ぬぐい1本で出来る乾布摩擦などで、後頭部の筋肉をゆるめておくと良いですね。 

首と後頭部の境目に手ぬぐいを当て、左右に動かし乾布摩擦。
摩擦熱とともに固まった筋肉がほぐれ、周辺の血流が良くなれば、脳梗塞の心配無し!

冬は腹圧が下がるため、腰も抜けやすくなります。
腰がへたってくると、腰痛やギックリ腰などにもなりやすいので、後ほどご紹介をする仙骨体操などで、骨盤を締めておくのもおすすめです。

自力で動かすことで、身体の内側から温め、循環を良くしておくことが大事です。



#冬至・知識編2へつづく