なにすてた? #02 PAUSE 吉原友美さん 中編

中編 自分ってなに?どうする自分?

「なにすてた?」第2回目は、PAUSE(パウズ)の吉原友美さん。
出張花屋や花教室をひらき、日々の暮らしに寄り添う花を届けています。

吉原さんが手放したのは、夫婦関係とそれまでの自分でした。
前編「それまでの“わたし”を手放すまで」につづき、千葉県印西のアトリエでお話を伺いました。 

◆あれ?自分がない?

ー1人になって、気づいたことありました?

「自分がない」ってことに気づいてしまいましたね。
周りからは自分を持っているなんて言われるけど、実はなかったんです。

夫に頼りきっていて、自分はさておき、夫のためという意識も強かった。
いつも誰かに幸せにしてもらおうって、人に対して依存心や執着もあったと思います。

だから相手のせいにして終わることも多くて。
夫に対しても、「あなたがこうだから、わたしがこんな気持ちになるんだよ」とかね。
そういう風に生きてきちゃったんです、いままで。


関係がうまく行かなくなった理由のひとつは、自分の固定観念や思い込みの強さにあったかもしれないって、いまは思いますね。
自分がないから、流されやすくて、周りが気になる。そんな自分がずっと嫌だったんです。

でも1人になって、孤独と向き合っているうちに、“誰か”や“何か”に幸せにしてもらうんじゃなくて、“自分”で自分を幸せにすればいい。
自分が変わればいいって、そう思ったら胸にストンと落ちたんですよね。

◆自分基準 自分セラピー

ー“自分が変わればいい”と思えてから、大事にしてることは?

「いまこの瞬間に、自分が幸せを感じること」に意識を向けることにしましたね。

身につける色も変わったんです。以前は黒や茶・深緑。ブランドのイメージに合う色を着てた。
最近は白やピンク・黄色、素直に着たいと思える色を選んでいて…。
自分が心地いいって感覚に、とことん向き合うようにしたんです。



そうなったら、日々全部が自分の選択。
何したい?あれしたい?これしたい?好き?きらい?やりたい?やりたくない? って。
だから、毎日新鮮だし、感謝もするし。
最近は布団に入って、1日の終わりに、あー幸せと思えるんです。

毎日毎日、昨日とは違う真新しさを感じるから、「新しい自分、今日はどうする?何する?」って、わくわくしてつぶやいたり。
独り言がだいぶ増えたかな。笑

 

ーいままでの自分を変えるって、そんなに簡単じゃないですよね?

さすがに20年ぶりの一人暮らしで、しーんとした部屋に寂しさを感じることもあって。
コロナ禍で人にも会えなかったから、家にいるといろいろ考えてしまうし。
一時期、昼間から1人でワインを飲む日が続いて、気づけば空になったボトルがずらー…。さすがにまずいなって。

それで散歩に出かけるようになったんです。このあたりは緑が多くて気持ちいいから。
木や花を見て、風や匂いを感じながら、1時間くらい歩いて考えていると浄化されるというか。




嫌なことやモヤモヤ・不安も、無理やり無くそうとしないで、いまそんな感情があるんだなって、まず認識することを意識的にして。
感情を一旦横に置いて、自分を俯瞰するようになったら、依存心や執着も自然となくなっていったんですよね。

 

―自分で自分をセラピーしているような感覚ですね?

そうですね。
自分、自分、自分。
意識を向ける対象をすべて自分にした。
「こうなったのは自分がどうだったから?」「じゃあ自分はどうしたらいい?」って。
自分と向き合うってことですよね。それは大きなことでしたね、わたしにとっては。

まだまだ模索中だし、もちろん不安や寂しさが全部クリアになってはないけれど。
意識を向ける方向を変えてみたら、少しずつ変化できたし、自分を好きになれたんです。


後編「見つけた”PAUSE”」につづく